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撥水剤を塗った窓も、朝には凍っていた — JAFが一晩比べた、冬の朝に効く道具と効き方が変わる道具

公開: 2026-09-17 / 更新: 2026-09-17

カーグッズのイメージイラスト

冬の朝、フロントガラスが真っ白で、すぐには動かせない。前の晩に何かしておけば防げるのか、それとも朝どうにかするしかないのか。

JAF(日本自動車連盟)は「JAFユーザーテスト」として、条件を変えた車を一晩そのまま駐車して、朝どうなっていたかを比べています。結果を読むと、凍結そのものを防げた対策は1つだけで、効かなかったと切り捨てられない対策がもう1つありました。この記事では、そのテスト1本だけを読みます。

先に結論

  • 一晩の駐車で、比べた3つの条件のうち凍結そのものを防げたのはカバーだけだった。撥水剤を塗った窓も凍った
  • ただし撥水剤にも効き目はあった。同じスノーブラシのスクレーパー(へら)を使っても、対策なしは視界を確保できず、撥水剤を塗った窓は削り落とせた。道具の効き方が、前の晩にしたことで変わっている
  • 凍ってからの解氷は、解氷剤が凍結を完全に解かすまで1分ほど、デフロスターは視界が確保できるまで10分ほど(測っている終点が違います)。ただしJAFはデフロスター単独をすすめておらず、理由に挙げているのは長時間のアイドリングによる環境面への負荷
  • 凍るのは窓だけではない。内側を水で濡らして駐車した運転席ドアは凍り、開けるのに20kg以上の力が必要だった(濡らさない車は約5kg)

大事なのはどれが一番よく効くかではなく、前の晩にする対策と、朝にする対策が別の話だということです。順に見ていきます。

テストの条件 — 一晩、雪の降る高原で

JAFがこのテストを行ったのは2014年2月3日17時から4日7時まで、場所は長野県上田市菅平高原のホテル駐車場です。テスト車両はトヨタ ヴェルファイアと記載されています。

気温はテスト開始時8.5℃、最低気温マイナス6.3℃、テスト終了時マイナス5.9℃。天候は雪でした。つまりこれは、霜が降りるだけの朝ではなく、雪が降った一晩の結果です。

JAFはテストの背景をこう書いています。

冬になると多くの地域で最低気温が氷点下まで冷え込むことが多くなる。特に夜から朝まで長時間駐車した際、フロントガラスやドアが凍結し、車をすぐに動かすことができない状態が発生する。

テストは3つに分かれています。フロントガラスの凍結防止(テスト1)、凍結した窓の解氷(テスト2)、そしてドアの凍結(テスト3)です。

前の晩に何をしておくか — 凍結を防いだのはカバーだけ

テスト1では、条件の異なる3台を一晩駐車しました。「対策なし」「撥水剤をフロントガラス全体に塗った状態」「フロントガラス全体にカバーをかけた状態」の3つです。

結果は次のとおりでした。

前の晩にしたこと朝の窓スクレーパーを使った結果
対策なし凍結していた取り切れず、視界を確保できなかった
撥水剤を塗布凍結していたきれいに削り落とせ、視界を確保できた
カバーをかける凍結しなかった(該当なし)

JAFの記載を当サイトが表に整理したものです。対策なしと撥水剤については、JAFの注記に「スノーブラシで雪を落とした後に確認した。」とあります。

カバーについて、JAFはこう書いています。

3.カバーをかける:カバーの内側に雪は降り込んでおらず、フロントガラスの凍結はなく、凍結防止対策に最も有効だった。

注意したいのは、この結果が雪の降る一晩のものだということです。カバーが評価されている理由は、まずカバーの内側に雪が入らなかったことにあります。

撥水剤を塗った窓も凍った。それでも結果は変わった

この記事でいちばん意外なのは、撥水剤の扱いです。水をはじく液剤を塗ってあれば凍りにくいのではないか、と考えたくなりますが、JAFの結果はこうです。

2.撥水剤を塗布:フロントガラスは凍結していたが、スノーブラシのスクレーパー(へら)を使えば、きれいに凍結部分を削り落すことができ視界を確保することができた。

前半と後半の両方が大事です。前半=凍結は起きた。後半=へらで落とせた。対策なしの車と比べてください。

1.対策なし:フロントガラスは凍結しており、スノーブラシのスクレーパー(へら)を使っても、凍結は取り切れず、視界を確保することができなかった。

どちらもJAFの注記どおりスノーブラシで雪を落とした後の確認で、そのうえで使った道具は同じスノーブラシのスクレーパー(へら)です。それでも一方は視界を確保でき、もう一方はできなかった。朝に使う道具の効き方が、前の晩に塗ったかどうかで変わっていることになります。JAFのまとめにも「撥水剤を塗布しておけば、スクレーパーで霜が落としやすいことがわかった。」とあります。

ここから言えるのは、撥水剤とスクレーパーはどちらかを選ぶものではなく、組み合わせて初めて結果が出たということです。なぜ落としやすくなったのかは、JAFのページには書かれていません。

朝、凍ってしまってから — 1分と10分、ただしデフロスター単独はすすめられていない

テスト2は、凍結した2台のフロントガラスを解氷するのにかかる時間の比較です。方法は「解氷剤使用(フロントガラスにまんべんなく散布)」と「デフロスター使用〔内気循環で、設定温度はHI(最高温度)〕」の2つ。

  • 解氷剤 — 「1分ほどの短時間でフロントガラスの凍結を完全に解かすことができた。」
  • デフロスター — 「視界が確保できるまでに10分ほどかかった。」

ただし、この2つは測っている終点が違います。解氷剤は凍結を完全に解かすまで、デフロスターは視界が確保できるまでで、デフロスターで完全に解けるまでの時間はJAFのページに書かれていません。

それでも数字の差は大きく見えます。ところが、JAFがまとめで書いているのは、解氷剤をすすめる一文ではありません。

デフロスターのみで解氷しようとすると、長時間のアイドリングで環境面に負荷をかけるので、解氷剤やスクレーパーを併用したい。

すすめられていないのはデフロスターだけで解かそうとすることで、理由に挙げられているのは長時間のアイドリングによる環境面への負荷です。デフロスターを使うなという話ではなく、解氷剤やへらを併せて使うという書き方になっています。

もうひとつ、JAFは明確に注意を書いています。

お湯をかけて解氷する場合は、温度差でガラスが割れたり、解けた水がすぐに凍り付く可能性があるので注意が必要。

早そうに見えて、失うものが大きい方法です。ガラスが割れる可能性と、解けた水がすぐ凍り付く可能性の2つが挙げられています。

凍るのは窓だけではない — 運転席ドアは、濡らさない車が約5kg、濡らした車は20kg以上

テスト3は、運転席ドアの内側の条件が異なる2台を一晩駐車し、ドアを開けるのに必要な力を計測器で比べたものです。

  • 水で濡らさない車(通常の場合) — ドアは凍結せず、約5kgの力で開けられた
  • 水で濡らした車 — ドアが凍結し、20kg以上の力が必要だった。JAFは「強い力で引き続けて、ようやくドアを開けられた。」と書いています

「水で濡らした車」は極端な条件に見えますが、JAFはまとめでこれを日常の場面に接続しています。

雨天時に走行した後など、ドアの内側が濡れたまま駐車すると、ドアが凍結するおそれがあるので水気を拭き取ったり、凍結防止剤を塗る。

そして、力まかせに開けることについても注意があります。

ドアが凍結すると開けるのにかなりの力が必要となり、無理をするとドアや車体のゴム、またはドアノブを破損するおそれがあるので注意が必要。

窓の対策を万全にしても、ドアが開かなければ出発できません。雨や雪のあとに駐車する日は、窓と別にドアまわりを見ておくという順番になります。

道具を買う前に決めること

このテストが比べているのは銘柄ではなく条件です(カバー・撥水剤・解氷剤という種類の比較で、製品ごとの順位は公表されていません)。そのうえで、JAFの記載から決められることを並べます。

  • 前の晩にする対策か、朝にする対策か。 凍結そのものを防げたのはカバーだけでした。朝の時間を確実に減らしたいなら前の晩側、置きっぱなしにできない事情があるなら朝側の道具になります
  • カバーは、内側に雪が降り込まなかったことが評価されている。 JAFがカバーの結果としてまず書いているのは、内側に雪が降り込んでいなかったことです。ガラス全体を覆えるか、風で飛ばないかが、この結果の前提になります(固定方法についてJAFのページは触れていません)
  • 撥水剤を選ぶなら、へらとセットで。 撥水剤だけでは凍結は防げず、視界を確保したのはスクレーパーを使った後です。スクレーパーが付いたスノーブラシを一緒に用意して初めて、このテストと同じ形になります
  • 解氷剤は「まんべんなく散布」した量で1分。 JAFの条件はフロントガラス全体への散布です。使う面積のぶんだけ中身が要る、と考えておくほうが安全です
  • ワイパーは道具を買わなくてもできる対策。 JAFは「寒冷地で駐車する際には、ワイパーゴムが凍結して窓に張り付くことがあるので、ワイパーを立てておく。」と書いています

この記事が扱っていないこと

  • 製品ごとの性能比較。 JAFが比べたのは「対策なし」「撥水剤」「カバー」「解氷剤」「デフロスター」という条件で、銘柄別の順位は公表されていません
  • 再現性。 これは2014年2月3日から4日にかけての一晩、1か所での結果です。回数や、別の気温・天候での結果はページに書かれていません
  • 雪が降らない朝の結果。 JAFはまとめで「撥水剤を塗布しておけば、スクレーパーで霜が落としやすいことがわかった。」と霜の語で書いていますが、この一晩の天候は雪でした。霜だけが降りる朝を対象に測ったテストではありません
  • 撥水剤で削り落としやすくなる理由。 結果は書かれていますが、理由の説明はJAFのページにありません
  • どのくらいの気温から凍るか。 このテストは最低マイナス6.3℃の一晩での結果で、凍結が始まる条件は扱われていません

まとめ

  • 一晩の駐車で、比べた3つの条件のうち凍結そのものを防げたのはカバーだけ。撥水剤を塗った窓も凍った
  • それでも撥水剤には効き目があった。同じスクレーパーで、対策なしは視界を確保できず、撥水剤を塗った窓は削り落とせた
  • 凍ってからは解氷剤が凍結を完全に解かすまで1分ほど、デフロスターは視界が確保できるまで10分ほど(終点が違う)。ただしJAFはデフロスター単独をすすめず、長時間のアイドリングによる環境面への負荷を理由に併用をすすめている。お湯は温度差でガラスが割れたり、解けた水がすぐに凍り付いたりする可能性がある
  • 運転席ドアで比べたところ、内側が濡れたまま駐車すると凍り、開けるのに20kg以上(濡らさない車は約5kg)。無理に引くと破損のおそれがある

同じJAFのユーザーテストを読んだ記事として、大雪の立ち往生、車内で何が起きるのか — JAFの実測3本と、冬に積んでおく道具とタイヤチェーンは種類で結果が逆転する — 坂を上れたのは金属、曲がって止まれたのは非金属もあわせてどうぞ。

出典: JAF(日本自動車連盟)「JAFユーザーテスト」より「寒冷地での駐車時は窓やドアの凍結に注意!」(2014年2月3日17時〜4日7時実施、長野県上田市菅平高原)。数値・引用・注意事項はすべて同ページの記載によります。2026年9月17日に確認しました。表の作成と、対策を「前の晩」と「朝」に分ける整理は当サイトによるものです。特定の日時・場所・車両での測定結果であり、気温や天候が変われば結果は変わります。

※広告を含みます

買うものを決める前に、前の晩にしておく対策か、朝にする対策かを先に選んでください。比べた3つの条件のうち凍結そのものを防げたのはカバーだけで、このテストでは撥水剤を塗った窓も凍っており、差が出たのはへらで削り落とすときでした。朝側でそろえるなら、JAFがまとめで併用をすすめているのは解氷剤とスクレーパーです(この2つは別々のテストで使われたもので、同じテストで一緒に使われた組み合わせではありません)。

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