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西日で見えなくなるのは前方の人だった — サンバイザーは5つを取り戻し、サングラスは眩しさを抑えても4体は✕のままだった

公開: 2026-09-22 / 更新: 2026-09-22

カーグッズのイメージイラスト

秋から冬にかけて、夕方の運転で正面から西日が入ってくる時間帯があります。JAF(日本自動車連盟)のユーザーテスト「ドライバーを眩惑する、強烈な日差しを遮る方法は?」は、まさにこの時間帯の話から始まります。

夕暮れ時は交通事故の発生が高まる時間帯と言われており、特に秋・冬の時期は太陽の位置が低く、西日が眩しく感じる時間が長くなる。

まぶしくて目を細める、あの数分です。日差しを遮る道具として思い浮かぶのはサンバイザーとサングラスですが、それらを使うと何が見えるようになって、何が見えなくなるのかを、JAFは前方に置いた7つの対象ごとに測っています。

結果表を対象ごとに読むと、眩しさが減ることと、見えなかったものが見えるようになることが、別の出来事として並んでいました。記号が動いた対象も、道具ごとに違っています。

先に結論

  • 西日が正面から差し込み、サンバイザーを使わなかった状態では、7つの対象のうち○が付いたのはヘッドライトを点灯した対向車だけでした。マネキン4体はすべて✕です
  • サンバイザーを使うと、○でなかった6つのうち5つが戻り、残った信号機が✕になりました。JAFは「西日対策としては有効である。」としたうえで、総評欄に「視認性は上がるが、信号機など上方と先の状態が確認できなくなる。」と書いています
  • サングラスについてJAFは「眩惑を抑えることに一定の効果があることがわかった。」と書いています。実際、15%の列の総評欄は「明るいものの、眩しいところを感じなくなった。」です。そのうえで同じ表を横に読むと、マネキン4体は3種類とも✕のままでした
  • 西日が当たる条件で唯一、すべての条件を通して○だったのはヘッドライトを点灯した対向車。JAFはこれを「対向車からの視認性が高くなる」と書いています

何を測ったのか

テストは2022年8月4日、日本自動車研究所 特異環境試験場(茨城県つくば市)で行われました。西日そのものを待つのではなく、日照装置で再現しています。

西日を再現できる装置でテスト車を照らし、西日が当たる状態を再現した。テスト車両の前方に人に見立てたマネキンや信号機、対向車を置いて、それらが運転席から確認できるかを検証した。

前方に置かれた対象は7つです(原文は丸囲みのA〜Gで書かれています)。

  • A 日なたにいるマネキン/B 日陰にいるマネキン
  • C 横断歩道上にいるマネキン/D 横断歩道の横にいるマネキン
  • E 対向車(ヘッドライトオン)/F 対向車(ヘッドライトオフ)
  • G 信号機

この実験を始めた理由も書かれています。

車を運転する際は日差しを遮る代表的なものに「サンバイザー」と「サングラス」があるが、サンバイザーを効果的に使っていないケースやサングラスの濃さによっては視認性を悪化させてしまうケースも考えられる。

つまり道具が視認性を悪化させる側面を最初から疑って測っているテストです。

サンバイザーを使わないと、見えたのは点灯した対向車だけだった

テスト1は、西日が当たらない状態・西日が当たってサンバイザーを使わない状態・西日が当たってサンバイザーを使った状態の3条件です。

対象西日が当たらない状態西日 サンバイザー不使用西日 サンバイザー使用
A 日なたにいるマネキン○✕○
B 日陰にいるマネキン○✕○
C 横断歩道上にいるマネキン○✕○
D 横断歩道の横にいるマネキン○✕○
E 対向車(ヘッドライトオン)○○○
F 対向車(ヘッドライトオフ)○△※1○
G 信号機○△※2✕
総評特に問題なし。眩しくてほとんど認識できない。視認性は上がるが、信号機など上方と先の状態が確認できなくなる。

※1「車の輪郭はわずかにわかる。」※2「信号機が点灯しているのは確認できるが、何色が点いているか認識できない。」表と総評欄はJAFの結果表の画像から当サイトが書き起こしました。記号の定義(○△✕が何を指すか)はページに書かれていないため、各欄の注記と総評欄の文をそのまま添えています。

西日が当たらないときは7つとも○です。ところが西日が正面から入ると、○はEひとつだけになります。本文の書き方はこうです。

直接ドライバーに西日が差し込んでいる場合は、ヘッドライトを点灯している対向車以外は、しっかりと確認できなかった。

横断歩道の上にいる人も、その横にいる人も、日なたにいる人も日陰にいる人も、区別なく✕でした。

サンバイザーは5つを取り戻し、信号機を失った

3列目がサンバイザーを使った状態です。A〜Dの4体が✕から○に戻り、Fも△から○になりました。そのかわり、それまで△だったGが✕に落ちています。

サンバイザーを使用した場合は、視認性が向上するものの、上方にある信号機を視認することはできなかった。

数で言うと、サンバイザーを使わないときに○でなかったのはA・B・C・D・F・Gの6つ、使ったときはGの1つだけです。6つのうち5つを取り戻し、残った1つが上方へ移ったという読み方ができます(この数え方と整理は当サイトによるものです。JAFは「物理的に西日を遮る方法」と書いており、遮った先が見えなくなる仕組みまでは書いていません)。JAFのまとめも、有効だという評価を先に置き、そのうえで注意を添える順序で書かれています。

サンバイザーは、物理的に西日を遮る方法で西日対策としては有効である。
しかし、上方の視界も遮ってしまい、標識や信号機など見落とす危険性もあるので注意が必要。

サングラスは眩しさを抑えたが、マネキン4体は✕のままだった

テスト2では、可視光線透過率の違う3種類のサングラスをかけて同じ7つを見ています。ページには「※可視光線透過率が低いほどレンズの色が濃くなる」と注記があり、3種類とも「偏光なし」と表に明記されています。

対象透過率15% 偏光なし透過率30% 偏光なし透過率75% 偏光なし
A 日なたにいるマネキン✕✕✕
B 日陰にいるマネキン✕✕✕
C 横断歩道上にいるマネキン✕✕✕
D 横断歩道の横にいるマネキン✕✕✕
E 対向車(ヘッドライトオン)○○○
F 対向車(ヘッドライトオフ)△※3△※3△※4
G 信号機○△※5△※5
総評明るいものの、眩しいところを感じなくなった。視線を向けるのが楽になった。わずかに眩しさを抑えられるが、効果は薄い。

※3「車の輪郭+ルーフの反射が見えた。」※4「車の輪郭はわずかにわかる。」※5「赤と黄色は見えた。」この表もJAFの結果表の画像から当サイトが書き起こしました。

縦に読むと、濃さによる差は出ています。15%ではGが○で、30%と75%では△(赤と黄色は見えた)。総評も「明るいものの、眩しいところを感じなくなった。」から「わずかに眩しさを抑えられるが、効果は薄い。」まで並んでいます。JAF本文の結論も、その線です。

レンズの色が濃いサングラスは、可視光線を通しにくく、眩惑を抑えることに一定の効果があることがわかった。

ところが横に読むと、A〜Dの4体は12マスすべてが✕です。濃くしても薄くしても、マネキンの記号は動きませんでした。

眩しさが減ることと、見えるようになることは別だった

ここが、この回のいちばん実用的なところだと思います。総評欄に並んでいるのは眩しさの感じ方の言葉です(「明るいものの、眩しいところを感じなくなった。」「視線を向けるのが楽になった。」)。一方で、同じ列のA〜Dの記号は✕のままです。

JAFもまとめで、サングラスの効き目を眩惑対策として書いたうえで、こう続けています。

サングラスは、レンズの色が濃いほど眩惑対策として有効だが、日陰やトンネル内などにおいては見えにくいこともあり、危険を見落とす可能性がある。

JAFは濃さの利点と、暗い場所での見えにくさを並べて書いています。ただしこの表の中では、濃さに反応した唯一の対象(信号機)は、いちばん濃い15%でこそ○でした。日陰にいるマネキンBも3種類とも✕で、濃さによって暗い側の見え方が悪くなったことを示すマスは、この表にはありません。暗所の話は、この実験の外にある注意書きとして読むのが正確です。

なお、2つの表は別々のテストのものなので、同じ対象について記号を差し引いてサンバイザーとサングラスのどちらが上かを決めることはできません(後述します)。それぞれの表の中で見ると、動いた対象が違っていました。テスト1で動いたのはマネキン4体(✕から○)と信号機(△から✕)、テスト2で動いたのは信号機だけ(15%は○、30%と75%は△)です。

唯一、全部の条件で○だったもの

2つの表を通して、西日が当たる条件でも欠けなかったのはE(ヘッドライトを点灯した対向車)だけです。同じ対向車でも、消灯しているFは西日が当たると△止まりでした。JAFはこの差をはっきり書いています。

対象物EとFで比較すると、ヘッドライトを点灯している場合は、対向車からの視認性が高くなることが明らかとなった。

これは、こちらが買う道具の話ではありません。この実験が測ったのは運転席からEとFが見えるかどうかであって、自分が点灯したときに相手からどう見えるかは測られていません。ただし、点灯している対向車だけが西日のなかでも○だったという結果は、自分のヘッドライトを早めに点けることの意味を示していると当サイトは読みました(この読み替えは当サイトによるものです)。

JAFの締めくくりは、道具の優劣ではなく時間の話でした。

右左折する先の道路で、西日による眩惑によって事故に発展する可能性もあるため、事前に対策を講じることが重要である。

この記事が扱っていないこと

  • 2つの表の引き算。 テスト2の説明は「テスト1の西日が当たる状態で」とだけ書かれており、サンバイザーを併用したかどうかはページに書かれていません。そのため同じ対象について2つの表の記号を差し引き、サンバイザーとサングラスのどちらが上かを決めることはしていません。記号の動きは、それぞれの表の中だけで読んでいます
  • 偏光レンズ。 表に載っている3種類はいずれも「偏光なし」です。偏光レンズはこのテストの対象ではありません。市販品にどれだけ偏光レンズがあるかは、当サイトでは確認していません
  • 記号の定義。 ○△✕が何をもって付けられたのか(判定の基準)はページに書かれていません。判断材料として書かれているのは、各欄の注記と総評欄の文だけです
  • 再現性と車種差。 2022年8月4日の1回、日照装置で西日を再現した条件での結果です。回数、車種、ドライバーの人数や年齢による違いはページに書かれていません
  • サングラスの濃さの規格上の線引き。 眼鏡レンズの透過率にはJIS T 7333(屈折補正用眼鏡レンズの透過率の仕様及び試験方法)があり、目次に「6.3 運転及び路上の使用目的のレンズの分光透過率に関する要求事項」という節が置かれています。ただし規格本体は有償のため、当サイトでは条文の数値を確認していません。この記事はその要求事項を参照していないので、15%・30%・75%が規格上どう扱われるのかは分かりません
  • 製品の銘柄と価格。 JAFは透過率の違いで比べており、製品名は公表されていません

まとめ

  • 西日が正面から入り、サンバイザーを使わない状態では、7つの対象のうち○が付いたのはヘッドライトを点灯した対向車ひとつだけ。横断歩道上の人も、その横の人も、日なたも日陰も区別なく✕だった
  • サンバイザーを使うと、○でなかった6つのうち5つが戻り、残った信号機が✕になった。JAFは「西日対策としては有効である。」としたうえで「標識や信号機など見落とす危険性もあるので注意が必要。」と書いている
  • サングラスについてJAFは「サングラスは、レンズの色が濃いほど眩惑対策として有効だが、日陰やトンネル内などにおいては見えにくいこともあり、危険を見落とす可能性がある。」と書いている。そのうえで表を横に読むと、マネキン4体は3種類とも✕のままで、濃さで動いたのは信号機(15%だけ○)と総評欄の眩しさの感じ方だった
  • 眩しさが減ることと、見えなかったものが見えるようになることは、この表の中では別の出来事だった
  • 西日が当たる条件を通して欠けなかったのは点灯した対向車。JAFは「ヘッドライトを点灯している場合は、対向車からの視認性が高くなる」と書いている。買う前にできることが、スイッチひとつ残っている

同じJAFのユーザーテストを読んだ記事として、JAFがミニバン1台で測ったバックカメラ — 結果表で○が付いたのは12個中6個、見えていても止まれないことがあったもあわせてどうぞ。

出典: JAF(日本自動車連盟)「JAFユーザーテスト」より「ドライバーを眩惑する、強烈な日差しを遮る方法は?」(2022年8月4日実施、日本自動車研究所 特異環境試験場)。引用と表の内容はすべて同ページの記載および同ページ掲載の結果表の画像によります。2026年9月22日に確認しました。表の書き起こしと、対象ごとに取り戻したもの・失ったものを並べて読む整理は当サイトによるものです。特定の日・場所・車両・装置による測定結果であり、条件が変われば結果は変わります。

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