自動車税・軽自動車税の減免制度 — 障害のある方の対象要件・上限額・申請期限

障害のある方が使う車には、毎年の自動車税・軽自動車税が減免(減額・免除)される制度があります。減免額は年間数万円になることもある大きな支援ですが、自動的には適用されず、期限までに自分で申請しないと受けられません。この記事では、対象になる人・車の要件、減免額の目安、申請の期限と流れ、そして引っ越しや買い替えのときの注意点を整理します。
減免制度の全体像
減免の対象になるのは、毎年4月1日時点の所有者に課税される自動車税(都道府県税)と軽自動車税(市区町村税)です(課税の仕組みは自動車税の納付ガイドを参照)。税金の種類によって窓口が異なる点にまず注意してください。
| 税金 | 申請窓口 |
|---|---|
| 自動車税(登録車) | 都道府県の税事務所・自動車税事務所など |
| 軽自動車税(軽自動車・バイク) | 市区町村の税務担当課 |
減免には大きく3つのタイプがあります。
- 障害者減免 — 障害者手帳をお持ちの方のために使う車。この記事の中心テーマです
- 構造減免 — 車いす移動車など、構造上もっぱら障害のある方の利用のために作られた・改造された車
- 公益減免 — 社会福祉法人などが福祉のためにもっぱら使う車
なお、かつては車の取得時にかかる「環境性能割」にも減免がありましたが、環境性能割そのものが2026年3月31日で廃止されたため、現在の減免の対象は毎年の自動車税・軽自動車税です(2026年の税制変更まとめ参照)。また、減免されるのは毎年の税金であり、車検時に払う自動車重量税や自賠責保険料は対象外です(重量税にはエコカー減税という別の軽減の仕組みがあります)。
対象になる人 — 手帳の種類と等級
障害者減免の対象は、次のいずれかの手帳の交付を受けている方です。ただし手帳を持っていれば全員が対象になるわけではなく、障害の部位・等級ごとに対象範囲が決まっています。
| 手帳の種類 | 対象の考え方(例) |
|---|---|
| 身体障害者手帳 | 障害の部位と等級で判定(例: 東京都は下肢不自由1〜6級、視覚障害1〜3級など) |
| 戦傷病者手帳 | 障害の程度(項症)による |
| 療育手帳(愛の手帳など) | 重度の判定が目安(例: 東京都は1〜3度、長野県はA判定) |
| 精神障害者保健福祉手帳 | 1級(自立支援医療(精神通院)の受給を条件とする自治体が多い) |
重要なのは、対象となる等級の線引きが自治体によって違うことです。たとえば同じ視覚障害でも、東京都は1〜3級(4級の一部を含む)、長野県は1〜4級が対象と、隣の都県で範囲が異なります。「自分は対象外だろう」と思い込まず、お住まいの都道府県・市区町村の案内で必ず確認してください。
車と運転する人の要件
減免を受けられるのは、もっぱら障害のある方のために使われる車です。誰が運転するかによって、次の3つのパターンが認められています。
| 運転する人 | 主な条件 |
|---|---|
| 障害者本人 | 本人が所有し、本人が運転する |
| 生計を一にする家族 | 障害のある方の通院・通学・通所・仕事などのために運転する |
| 常時介護する人 | 障害のある方のみの世帯などで、日常的に介護する人が運転する |
家族や介護者が運転するパターンでは、使用目的の申告や誓約書、通院先の証明などを求められることがあります。また、減免は障害のある方1人につき1台までです。すでに減免を受けている車があるまま別の車で減免を受けることはできず、買い替えのときは旧車の処分(名義変更や抹消)とセットで手続きします。
いくら減免される?
減免額には上限を設けている自治体が多く、たとえば東京都・長野県はいずれも年45,000円が上限です(2026年度)。税額が上限以下ならその全額が免除され、排気量が大きく税額が上限を超える車では、超えた分だけ差額を納付します。自家用乗用車の税額は1.5L超〜2.0L以下で年36,000円なので、2.0Lクラスまでの多くの車は実質全額免除になる計算です(税額表は車の維持費の記事を参照)。
軽自動車税は全額減免とする市区町村が多く(横浜市など)、年10,800円がそのままゼロになります(軽の税の安さは軽と普通車の維持費比較で解説しています)。上限額や減免割合は自治体で異なり、改定されることもあるため、金額は必ず最新の公式案内で確認してください。
申請の期限と流れ
減免申請でいちばん注意したいのが期限です。期限を過ぎると、その年度分は原則受けられず翌年度からの適用になってしまいます。
| ケース | 期限の目安 |
|---|---|
| すでに持っている車 | 納税通知書が届いてから納期限(5月31日ごろ)まで |
| 新しく取得した車 | 登録(取得)の日から1か月以内(30日以内とする県もある) |
| 年度の途中で手帳の交付を受けた | 自治体により月割で減免・翌年度からなど扱いが分かれる |
必要書類の代表例は次のとおりです(自治体・パターンにより異なります)。
- 減免申請書(窓口・Webで入手)
- 障害者手帳(原本の提示を求められることが多い)
- 運転する人の運転免許証
- 車検証(写し)
- 納税通知書(すでに持っている車の場合)
- 生計同一・常時介護を証明する書類(家族・介護者が運転する場合)
一度減免が認められると、要件に変わりがなければ翌年度以降も原則継続されます。ただし現況を確認する書類の提出や更新の申立てを定期的に求める自治体もあるため、届いた案内は必ず開封して対応してください。
こんなときはどうする?
引っ越したとき
都道府県をまたいで引っ越すと課税する自治体が変わるため、転居先で改めて減免申請が必要です(等級要件が違って対象外になる・逆に対象になることもあります)。車検証の住所変更など引っ越し時の手続き全体は引っ越したときの車の手続きまとめを参照してください。
車を買い替えたとき
減免は1人1台なので、新しい車で減免を受けるには改めて申請し、旧車は売却・廃車・名義変更などで手放したことを届け出ます。新規取得の申請期限(1か月以内)は短いので、納車が決まったら早めに窓口へ確認しましょう。
手帳の等級が変わった・車の使い方が変わったとき
等級の変更や手帳の返納、車をもっぱら障害のある方のために使わなくなったときは、減免の要件に関わるため自治体への届出が必要です。届出をせず減免を受け続けると、さかのぼって課税されることがあります。
構造減免・公益減免
車いす移動車や入浴車など、構造上もっぱら障害のある方の利用のために作られた・改造された車は、所有者を問わず減免の対象になる「構造減免」があります(全額減免とする例が多い)。また、社会福祉法人などが福祉事業のためにもっぱら使う車には「公益減免」があります。いずれも要件・手続きは自治体ごとに定められているので、該当しそうな場合は窓口に相談してください。
まとめ
- 障害のある方のために使う車は、申請すれば自動車税(都道府県)・軽自動車税(市区町村)が減免される。減免額の上限は年45,000円が一つの目安(自治体差あり)で、2.0Lクラスまでなら実質全額免除になることが多い
- 対象となる手帳・等級、運転者の要件(本人・生計同一・常時介護)、減免額は自治体によって異なる。思い込みで諦めず、お住まいの自治体の案内で確認する
- 期限厳守: すでに持っている車は納期限(5月31日ごろ)まで、新しく取得した車は1か月以内。過ぎるとその年度分は受けられない
- 減免は1人1台。引っ越し・買い替え・等級変更のときは再申請や届出を忘れずに
※減免の対象範囲・上限額・申請期限・必要書類は自治体ごとに異なり、制度は改正されることがあります。本文の金額・要件は2026年7月時点の例です。申請前に必ずお住まいの都道府県(自動車税)・市区町村(軽自動車税)の公式案内で最新情報を確認してください。









